人生のおまけ

※「おまけの人生」じゃありません。
※6月19日に記事の一部を訂正しました。



先週水曜日は、御詠歌の三教区合同練習だった。

7月3日に曹洞宗御詠歌〝梅花流〟栃木大会の特別ステージに立つことになっており、それに向けての特訓会。
何時もは各教区の各支部ごとに精進を積んでいる僧侶と寺庭が一堂に会してお唱えするのだ。

今までは、中央教区のご寺院を会場にしていたのだが、今回は南部教区のK寺さんが担当となり、いきおい南部寺庭がご接待役に回ることとなった。

練習は14時から始まるものの、諸準備があるために10時に集合して、テーブルを出したり、毛氈を敷いたり、お茶の準備をしたり・・・と、兎に角忙しく働いた。

何せ50名近くの僧侶や寺庭が集まるのだから、その準備たるや中々のもの。
しかも、同業者の目は厳しいから、会場となったK寺さんは、事前準備にさぞかし追われたことと思う。



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↑先輩寺庭さんをお迎えに上がり、一緒にK寺さんに向かった。

玄関先の蓮鉢が、とっても涼やかな感じ♪

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↑開花はもうすぐ。



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↑K寺さんの客殿。

庭の花がこんなに見事に活けられていた。
すごいなぁ・・・
(他人事w)


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↑すぐ前のお蕎麦屋さんから出前を取って、美味しいお蕎麦の昼食。


お蕎麦を頂き、お茶を飲んでひと息ついたところで、K寺奥さまが、
「こんな機会ですから、普段は閉め切っている薬師堂にご案内しようと思います。
興味のある方は、どうぞ付いて来て下さい」
と、まったくの予想外のお誘い。

そう、此処に来る度に大きくて古びた薬師堂が気になって仕方がなかった。
もちろん、付いて行きますとも!

そうして、古くて建付けの悪くなった板戸をガタガタと引き、光が差し込んだ薬師堂内には、薬師さまがおはすお厨子を中心にして、左右両脇に等身大の十二神将が居並んでいたのだった。

等身大!!!

鎌倉期の作だそうで、カッと見開いた玉眼は迫力に満ち、体躯のバランスも良く、彫りも精緻。
その上、
「秘仏なんだけどね、今日だけは特別よ♪」
と仰りながら、お厨子まで開いて下さった。
中には光り輝く薬師如来像!
幾つかの欠損部分が見られるものの金箔が良く残り保存状態が良く、何よりお顔が美しい。
快慶作のお像に似た美しさで、十二神将像と同じく地方仏特有の野暮ったさがなく、中央仏の洗練されたお姿に限りなく近い。

いやぁ・・・
これほどのお像があろうとは。

そして、お堂の西壁には聖観音と六観音がお祀りされていた。
ザッと見2メートルほどの大きな聖観音をぐるりと取り囲むようにして6つのお厨子が並んでおり、その中に聖観音、十一面観音、千手観音、馬頭観音、如意輪観音、准胝観音が納められている。
中心の聖観音は寄木造りと思われ、先の薬師&十二神将像とは真逆と言っても良いくらいに素朴な表情。
お厨子に入った六観音は江戸期の作だそうで、どれも痛みが激しく、どのお像も合掌手以外はほぼ欠損してしまっている。
しかも、お厨子内部の金箔が無残に剥がされ、剥がされた跡がまるで子供の落書きのようだと思っていたら、
「戦時中に疎開して此処で暮らした家族があって、その子供たちの仕業なのよ」
と奥さま。
わお!本当に子供の落書きだとは驚き!
恐らく、この子供たちの悪さが、観音さまの細い腕が失くなってしまった一因であるのだろうなぁ。

疎開ではないけれど、かつてK寺には観音堂もあり、そこで三浦哲郎の奥さまが生活してたことがあった。
人気ドラマにもなった〝忍ぶ川〟にその様子が描かれているらしいが、その当時学生だった奥さまが病弱の父親と一緒に観音堂で寝起きしていたそう。

観音堂は老朽化が激しかったために現在では取り壊されているが、その観音堂のご本尊が薬師堂西壁にお祀りされている六観音だと思われるが、これは後日訊くことにする。


そうして、たっぷりと拝観させて頂き、再びガタガタと板戸が閉じられ、我々は薬師堂を後にして午後の作業に取り掛かったのだった。
そして、14時からの三教区合同練習会はつつがなく終了した。


それにしても、素晴らしき仏像群に出会えた喜びと、この意外な展開への驚き。
薄暗い堂内で目を凝らして拝観した御仏の美しさは、ずっと忘れないことと思う。

ごくたまーに、こんな日に巡り合うことがあるよね。
天からポッと降って来たかのような。
素晴らしすぎる〝おまけ〟に、一体どうしたら良いのか分からなくなってしまうような。


ああ、御詠歌やってて良かったぁ。
(そこ?!そこですか?!www)

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