リンゴ

(寺の人間がこんなことを書いて良いものか?と思いつつ・・・)



昨日、寺にて七七日忌(四十九日忌)法要を営んだお施主さまが、
「住職さん、これを見てもらえます?」
と言いながら、藍染めの風呂敷を解いた。

出て来たのはリンゴ。

「主人(七七日忌に当たる故人)の仏壇に供えていたものですが、ホラ、顔のような梵字のような・・・」
ひぇぇっ!
しなびたリンゴの表面、あちらこちらに茶色の線が走っている。
線の走り方によっては人面にも見えるし梵字にも見える。

「これって何なのでしょう。ひょっとして主人が・・・」
と言い声を詰まらせるお施主さま。


職業柄と言うか、ウチも随分と古くなったリンゴを見て来たが、茶色の染みが出たり全体がシワシワになるのはあっても、このような線が走るのは初めて。
しかも、時間が経って自然とそうなったと言うよりは、手の爪で引っ搔いたみたいな。

それは何とも不自然で、何とも不気味なのだった。


そして、そのリンゴは
「お焚き上げをする」
と言う運びになって寺でお預かりすることになった。

法要が済んで、ご本尊さまの足元に置かれたリンゴを見たばあちゃんは小さな悲鳴を上げ、子カメたち(下子カメ帰省中)は大きな悲鳴を上げた。


それから、一人の遍路さまが巡拝に来られた。
本堂内にご案内すると、
「今まで幾つものお寺さんを巡って来ましたが、此処は独特の雰囲気に包まれていますね」
と仰り、
「過去に何かありましたか?」
とまで仰るので、思わずそのリンゴを見せてしまった。

そうしたら、その遍路さまは一歩二歩と後ずさりした。
半袖Tシャツから出た両腕は鳥肌が立っていた。

「すいません・・・
それ以上(リンゴを)近づけないで下さい、僕には無理です。
それは食べるものじゃないです、人の念の塊です。
ただ、悪い感じはしませんが」


まるで、そのリンゴが呼び寄せたかのように霊感の強い遍路さまがお見えになった。
何てこと!


精進落としから帰って来た夫に、出来るだけ早くお焚上げをして欲しいとお願いした。
不思議すぎるリンゴに困惑していた夫も二つ返事で了承。
急きょ寺墓地の清掃と相成り、あちこちのお墓から古い塔婆を回収して積み上げ、一番上にリンゴを乗せ、梵焼法をお唱えして点火。
下からの業火に包まれ始めたリンゴは茶色く変色し始め、何と茶色くなったリンゴに走った線は更にクッキリと浮かび上がったのだった。

その浮かび上がり方や、まるで生きたまま焼かれ、もだえ苦しむみたいで・・・
いや、もうダメです、ホント勘弁して下さい。
(こうして思い出すだけで悪寒が走る)

そして、リンゴの足元が焼け崩れ、リンゴも落ちて行ったのだった。

リンゴが無事に(?)炎の中に落ちて行ったのを見届け、ホッと一息、安心した自分たち。
・・と思うや、山の木に鹿の頭蓋骨が引っ掛かっているのを見つけてしまった上子カメ。

ああ!何てこと!


それから数時間後に火が完全に収まったかどうかを見に行った夫は、
「ちょっと!ちょっと来てー!」
と大声で叫んだ。
そのただならぬ声に急いで駆けて行くと、
何と・・・
何と・・・
お塔婆は真っ黒で粉々の炭になっていると言うのに、
リンゴは・・・
リンゴは・・・
炭になったものの原型を留めていたのだった。
不気味な線も、真っ黒な上に溝を走らせ顕在だった。


これが一体どう言うことなのかは分からない。
ただの古くなったリンゴなのかも知れないし、誰かの想いの化身となったリンゴなのかも知れない。


こんなに珍しいものを見ながら、誰ひとりとして撮影する者は居なかった。
みんな、ブログやらツイッターやらインスタをやっていると言うのに。

そして、夕べはリンゴにうなされほとんど眠れなかった。
昨日から調子が悪い。
ずっと鳥肌が立っている。
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ぽんちゃんさん

ありがとうございます。

これまでにも心霊写真やら事故車から見つかった歯と肉片とか、そりゃあ色々なものが「供養してください」と持ち込まれましたが、住職は顔色ひとつ変えることなく平然とお焚き上げ供養をしていましたが、今回のリンゴは初めて見た瞬間に固まっていました。

しかし、ウチで一番霊感が強いのは麦ちゃんかも(笑)
見ていると「不思議な猫だなぁ」と思うことしばしば。
我々には見えないものが麦ちゃんには見えているんじゃないかなぁ。

「穏やかに生きられる」
良い言葉ですねぇ・・・
特別に先祖供養などしなくても、先祖のお陰でこうして自分が居る、と思いながら暮らすだけでそう悪いことは起きないような気がします。
不肖のワタクシも年と共に「生きている」のではなく「生かされている」と思えるようになって来ました。

No title

わああ!

カメさんご家族がご無事で良かったです。

リンゴの念・・・供養してもらって成仏されたのでしょうね。

私は霊感が無いようで、のほほんと生きているけれど
穏やかに生きていられるのも、どこか守られているからなんですよね。

改めて感謝しよう・・・と思いました。

ナムナムさん

最初のうちは
「焼きリンゴにして食べちゃおか」
なんて冗談をかましていたのですが、徐々に・・(沈)

ちょっとね・・複雑な家でして、
その複雑の溝に落ちてしまったような故人も居り、恐らくその方の想いが出たのではないか、と住職は申しております。

寺庭婦人会の集まりで話題になることが多々ありますが、本当に寺に居ると不思議なことが持ち込まれたり、不思議な体験をします、これは寺族の誰もが同じらしい。

昨日まではドンヨリとした気分で頭痛が酷くて鳥肌が立っておりましたが、今日になったら何事もなかったかのように晴れました。
元が実体のないものだけに何時も通りに戻れば
「寺を頼ってくれてありがとう」
と言った大らかな気持にもなれます。

ノーコメント・・・なんちて

「山川草木悉有仏性」・・・なんちて。

一か八か・・・
1.埋めてしまう。
2.皮をむいてしまう。
3.ミキサーにかけてしまう。
・・・だったら良かったか?

施主の方が思いを抱いて持ってきてしまったことが、問題だったですね。
その思いにカメさんちも巻き込まれちゃう。
そういうことが、寺は結構ありますね〜。
うっかりすると、同じ思いを背負い込んじゃう・・・と大変。

ノー天気に考えてるくらいでいいのだけれど、やっぱり、背負い込んじゃうからね〜。
供養するしかない・・・か、な。
プロフィール

カメ

Author:カメ
未だ嵐メンバーの顔と名が一致しない。
キスマイ?ジャンプ?
ジャニーズは闇。

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